節分といえば「豆まき」と並んで「恵方巻き」が定番の風習となりました。
この習慣には、特定の方角「恵方」を向いて黙々と食べるという独特なルールがあります。
実は、この「恵方」と呼ばれる方角は毎年変わります。その理由は、五行思想や干支のサイクルに基づいて、その年に最も縁起が良いとされる方角が定められるためです。毎年、干支に関連する守護神がいる方向が「恵方」とされ、その方角に向かうことで福を呼び込むとされています。
さらに、食べる際に無言を貫く理由は「福が口から逃げないようにするため」と言われています。この静かな食事は、願い事や目標に集中し、一途な気持ちで取り組む象徴的な意味合いも含まれています。
この記事では、恵方巻きの方角がどのように決まり、なぜ毎年異なるのか、
その理由を分かりやすく解説します。
恵方巻きを食べる方角の意味とその由来
節分に恵方巻きを食べる際には、毎年「恵方」と呼ばれる特定の方角を向くことが大切とされています。この「恵方」は、その年に最も縁起が良いとされる方向であり、「歳徳神(としとくじん)」という福や繁栄をもたらす神様がいるとされる方角です。
歳徳神が位置する方角は年ごとに異なるため、恵方も毎年変わります。
代表的な方角には以下の4つがあります:
- 北北西
- 東北東
- 南南東
- 西南西
古くは、新年にその方角にある神社へ参拝することで、一年の無事や幸運を祈る風習もありました。恵方に向かって恵方巻きを食べることは、同じように一年の幸福を願う大切な儀式とされています。
本記事では、恵方巻きの方角がどのように選ばれるのか、
その歴史的背景や理由を詳しく解説します。
【毎年変わる恵方の仕組みと十干十二支の関係】
「恵方」が決定される仕組みは、古代中国の思想から伝わる「十干十二支」に基づいています。
十二支
十二支は、年を象徴する動物として広く知られています:
- 子(ねずみ)
- 丑(うし)
- 寅(とら)
- 卯(うさぎ)
- 辰(たつ)
- 巳(へび)
- 午(うま)
- 未(ひつじ)
- 申(さる)
- 酉(とり)
- 戌(いぬ)
- 亥(いのしし)
これらは12年で一巡します。
十干
一方、「十干」は以下の10種類から成り立ち、10年で一巡します:
- 甲(きのえ)
- 乙(きのと)
- 丙(ひのえ)
- 丁(ひのと)
- 戊(つちのえ)
- 己(つちのと)
- 庚(かのえ)
- 辛(かのと)
- 壬(みずのえ)
- 癸(みずのと)
十干と十二支が組み合わさることで、全60通りのパターンが生まれ、60年で
一巡するサイクルになります。この組み合わせによって、その年の恵方が決定されます。
十干の身近な活用例
十干は、私たちの日常生活にも影響を与えています。例えば:
- 焼酎の「甲類」「乙類」
- 資格試験の「甲種」「乙種」
- 契約書で使われる「甲」「乙」「丙」
さらに、四柱推命などの占いにも使用されることがあります。
このように、十干十二支に基づいて歳徳神が宿る方角が毎年変わるため、恵方巻きを食べる方角も毎年変わるのです。一年に一度の節分。正しい方角に向かい、願いを込めながら恵方巻きを楽しんでみてはいかがでしょうか。
十干から読み解く恵方巻きの方角とその決定方法
恵方巻きを食べる際の方角は、「十干(じっかん)」と呼ばれる古代中国由来の思想体系に基づいて決められています。十干は自然界の要素や時間の流れを表す重要な概念で、それぞれ特定の方角と結びついています。
十干と方角の関係
十干には以下のような方角の対応関係があります:
- 甲(きのえ)、己(つちのと) → 東北東
- 乙(きのと)、庚(かのえ) → 西南西
- 丙(ひのえ)、辛(かのと)、戊(つちのえ)、癸(みずのと) → 南南東
- 丁(ひのと)、壬(みずのえ) → 北北西
たとえば、2025年の干支「乙巳(きのとみ)」では、「乙(きのと)」が西南西を指し示します。このように、十干が周期的に4つの方角を巡ることで、毎年の恵方が決定されるのです。
西暦から見る方角の決定法
十干のサイクルは西暦の下一桁の数字と関連づけられています。
以下のルールで方角を特定できます:
- 4・9年 → 東北東
- 5・0年 → 西南西
- 1・6・3・8年 → 南南東
- 2・7年 → 北北西
たとえば、2026年(令和8年)は下一桁が「6」であるため、恵方は南南東となります。
恵方巻きの風習
現代では、恵方巻きは全国各地のスーパーやコンビニで手軽に購入できるようになりました。恵方を向き、無言で食べることで、その年の幸運を逃さず手に入れることができるとされています。
もし食べる方角に迷ったときは、このガイドを参考に正しい方角を確認し、
願いを込めて恵方巻きを楽しんでください。
2024年から2031年までの恵方の方角一覧
恵方は毎年変わりますが、その方角には一定の法則性があります。以下は2024年から2031年までの恵方を整理した一覧表です。
年 | 恵方の方角 |
---|---|
2024年 | 東北東 |
2025年 | 西南西 |
2026年 | 南南東 |
2027年 | 北北西 |
2028年 | 南南東 |
2029年 | 東北東 |
2030年 | 西南西 |
2031年 | 南南東 |
この一覧からもわかるように、恵方は5年ごとに一定の周期で
繰り返されるパターンを持っています。
恵方の法則
- 東北東 → 2024年、2029年
- 西南西 → 2025年、2030年
- 南南東 → 2026年、2028年、2031年
- 北北西 → 2027年
このような規則性を把握することで、毎年どの方向を向いて恵方巻きを食べれば良いかが一目でわかります。新しい年の節分には、この方角を意識しながら恵方巻きを楽しんでください。きっと良い運気が巡ってくるはずです。
子どもに伝える恵方巻きの方角のひみつ
親:「節分の日に恵方巻きを食べるって知ってる?」
子ども:「うん!しゃべらずに、一本まるごと食べるんだよね。でも、どうして毎年向く方向が変わるの?」
親:「いい質問だね!あの方角は『恵方(えほう)』って言うんだけど、毎年違う理由は『十干(じっかん)』っていう古いルールが関係しているんだよ。」
子ども:「じゅっかん?それって何?」
親:「十干はね、昔の中国で生まれた考え方で、10個の要素を使って年や方角を決めるシステムなんだ。毎年、その年に一番縁起が良い方角が選ばれるんだよ。」
子ども:「ふーん。でも、どうしてその方角が大事なの?」
親:「その方角には『歳徳神(としとくじん)』っていう神様がいると考えられているんだ。歳徳神は幸せや福を運んできてくれる神様だから、その方向に向かって恵方巻きを食べることで、福をしっかり受け取れるって言われているんだよ。」
子ども:「神様がいる方向に向かって食べるんだ!なんだか特別な感じがするね。」
親:「そうだね!そして、黙って食べる理由は、しゃべると口から福が逃げちゃうって言われているからなんだ。だから、みんな真剣な顔で食べるんだよ。」
子ども:「そうなんだ!じゃあ今年も静かに食べて、福をいっぱいもらおうっと!」
親:「その意気込みが大事だね!恵方を向いて、一緒に願い事をしながら食べよう!」