アパートを選ぶ際、「1階の部屋はやめたほうがいい」と言われることがあります。
実際、住んでから「こんなはずじゃなかった」と後悔する人も少なくありません。
しかし、なぜ1階に住むと後悔しやすいのでしょうか?そして、
どんな点に注意すれば後悔を避けられるのでしょうか?
この記事では、アパートの1階に住んだ人たちのリアルな声や体験談、
専門家の見解をもとに、後悔の理由や回避方法を徹底解説します。
これから物件探しをする方はもちろん、
すでに1階を検討中の方にも役立つ内容です。
アパート1階で後悔する人が多い理由とは?

「とにかく後悔」の声が多い背景
賃貸サイトの口コミやQ&Aサービスでは、1階に住んだ人たちからの後悔の声が多く見られます。
その理由は一つではなく、日常生活に直結する複数の要因が関係しています。
たとえば「思っていたより日当たりが悪い」「周囲の騒音が気になる」「湿気がひどくてカビが生えた」など、住んでみて初めて気づく問題が多く、契約前の段階では想像しにくいことも後悔の原因になっています。
特に都市部では、周囲に建物が密集していることが多いため、
1階の部屋は物理的に環境が悪くなりがちです。
このような背景から、「1階はやめておけ」といった
警告的な意見が広まりやすくなっているのです。
1階はそもそも人気が低いという現実
不動産サイトでは、「2階以上」で条件を絞って検索するユーザーが非常に多く、
実際に1階の部屋は人気が低い傾向があります。
そのため、同じ間取りや設備でも1階の方が家賃が数千円安く設定されている
ケースも珍しくありません。
これは裏を返せば、「家賃が安くても敬遠される理由がある」とも言えるでしょう。
住んでからの快適さや安全性を重視する人ほど、1階を避ける傾向にあり、
それがますます1階のネガティブイメージを強化しています。
防犯・騒音・湿気…後悔ポイントは生活全体に影響
1階に住むと直面しやすい悩みは、特定の場面だけでなく、
生活全体に関わる問題です。
たとえば、防犯上の不安から窓を開けづらくなると、
換気が不十分で湿気がこもりやすくなります。
また、近隣の騒音が気になって眠れない、外の目線が気になって常にカーテンを閉めている、
などストレスが蓄積されやすい環境にもなりやすいです。
これらは、毎日の生活の質に直接関わってくるため、「住み続けるのがつらい」と
感じてしまう人も多くなるのです。
防犯・プライバシーの不安が後悔の最大要因

空き巣・不審者のリスクが高いのは1階
1階に住む最大のリスクとして、多くの人が挙げるのが「防犯面での不安」です。
警察庁のデータによれば、共同住宅における侵入窃盗の発生率は、
1階を含む低層階のほうが明らかに高い傾向にあります。
なぜなら、地上に近いため侵入が容易であり、窓やベランダから
簡単に侵入される危険があるからです。
さらに、夜間の人通りが少ない路地裏や建物の裏側に面している部屋は、
空き巣に狙われやすい傾向にあります。
「1階だからこそオートロック付きの物件を選んだのに、窓から簡単に侵入された」
といったケースもあり、設備だけに頼った防犯では安心できません。
「人の目」が気になり、落ち着かない生活に
1階では、通行人や近隣住民からの視線がダイレクトに入ってくる場面が多くなります。
たとえば、道路や駐車場に面した部屋では、窓越しに人の気配や視線を
常に感じることになり、プライバシーが守られにくい環境です。
このような状況では、日中でもカーテンを閉めっぱなしにしてしまい、
自然光が入らず気分が滅入ってしまう人もいます。
特に女性の一人暮らしでは、「カーテンの隙間から中を覗かれた」「洗濯物を干していると
視線が気になる」といった声が多く、精神的なストレスが蓄積されていきます。
対策は可能だが「完全な安心」は難しい
もちろん、防犯対策を講じることでリスクを軽減することは可能です。
たとえば、モニター付きインターホン、窓に防犯フィルムや補助錠を設置する、
防犯カメラがある物件を選ぶなど、工夫の余地はあります。
しかし、完全に不安が解消されるとは限りません。
そもそも「1階である」という構造上の問題が根本にあるため、どんなに対策しても
「上階より安全」とは言い切れないのが現実です。
これが「住んでから後悔する」一番の理由でもあり、
慎重な判断が必要なポイントと言えるでしょう。
湿気・日当たり・虫問題が暮らしを左右する
1階は湿気がこもりやすくカビの原因に
アパートの1階に住むと、多くの人が悩まされるのが「湿気問題」です。
地面に近い構造上、地中の湿気が室内に伝わりやすく、床や壁、
クローゼットの中にまで湿気がこもることがあります。
この結果、カビの発生リスクが高まり、特に梅雨や冬場には布団や衣類、
家電などがカビてしまうケースも報告されています。
除湿機を使っても完全には除去しきれず、結露も頻繁に発生するため、
日々のメンテナンスが欠かせません。
「1階に住んでからアレルギーが悪化した」「洗濯物がいつも生乾き」という声も多く、
快適な生活に大きな影響を与える問題です。
日当たりが悪く部屋が暗いストレス
アパートの1階は、構造や周囲の建物の影響を受けやすく、日当たりが悪くなりがちです。
特に都市部では、隣接する建物に日光を遮られて、昼間でも薄暗い部屋が少なくありません。
さらに、防犯上の理由から常にカーテンを閉めている人も多く、
自然光がほとんど入らない生活を強いられることになります。
この暗さは気分に大きな影響を与え、うつ症状や不眠を訴える人もいるほどです。
「天気のいい日でも電気をつけっぱなし」「家にいると気分が落ち込む」という声もあり、
住んでみて初めて深刻さに気づくケースが多いです。
虫が出やすい環境に悩まされる
1階は地面に近いため、虫の侵入が上階に比べて格段に多くなります。
ゴキブリやムカデ、アリ、蚊などの発生率が高く、夏場になると
一晩で複数の虫が出ることもあります。
特に、建物周辺に飲食店やゴミ置き場がある場合は注意が必要です。
匂いや生ゴミに引き寄せられた虫が室内に侵入してくるリスクが増します。
「毎日虫と格闘している」「寝ている間に顔の上をゴキブリが歩いた」など、
ショッキングな体験談も珍しくありません。
虫嫌いな人にとって、1階は想像以上にストレスの多い住環境になってしまうでしょう。
住んでから気づく!1階特有の生活の不便さ

通行人の音・話し声がダイレクトに響く
アパートの1階に住むと、外の音が想像以上に気になることがあります。
たとえば、道路に面している場合は人の話し声、自転車のベル、車の音、犬の鳴き声など、
さまざまな生活音がダイレクトに部屋に入ってきます。
特に夜間や早朝、通行人の声や笑い声で目が覚めるというケースも多く、
睡眠の質にも影響を与えかねません。
在宅ワークや勉強に集中したい人にとって、
1階は静かな環境を確保しづらいというデメリットがあるのです。
「騒音は慣れる」と言われることもありますが、
予想以上にストレスになる可能性は高いです。
眺望が悪く、閉塞感がある
1階の部屋では、窓を開けても目に入るのは塀や隣の建物の壁、駐車場の車などがほとんどです。
高層階のような開放的な眺めは望めず、「外の景色を楽しみたい」「空を見てリラックスしたい」と思っていた人にとっては、がっかり感が大きくなります。
また、防犯のために窓を開けられない環境だと、外とのつながりを一層感じづらくなり、
家にいても閉塞感や孤立感を抱くようになります。
特に長時間自宅で過ごすことが多い人にとって、眺望の悪さは思っている以上に
大きなストレス要因になります。
浸水や災害時のリスクが高い
台風や集中豪雨の際に、最も心配されるのが「浸水リスク」です。
1階に住んでいると、建物の立地や排水状況によっては床上浸水が発生し、
家財道具や家電がすべてダメになってしまう可能性があります。
また、近くに河川や低地がある場合、避難のタイミングが遅れると
命に関わる事態になりかねません。
たとえ被害がなかったとしても、毎回の大雨や台風で「今夜は大丈夫だろうか」と
不安にかられる生活は、精神的にも大きな負担です。
「1階に住んでから天気が気になるようになった」「ハザードマップを毎週確認している」
といった声もあり、安心して暮らすための条件としてはリスクが大きいといえます。
後悔しないために!1階物件選びのチェックポイント
防犯性の高い設備が整っているか確認
1階でも安心して暮らすためには、防犯設備の有無が非常に重要です。
たとえば、オートロックやモニター付きインターホン、シャッター付きの窓、
補助錠、防犯カメラなどが備え付けられているかを確認しましょう。
また、宅配ボックスがある物件は、不在時に荷物を受け取る際も不審者と
顔を合わせずに済むため、一人暮らしにも安心です。
さらに、物件の管理体制も大切です。管理人が常駐している、または
定期巡回がある物件は、外部からの不審者にとって入りにくい環境となります。
内見時には、周囲の明るさや夜間の人通り、最寄り駅からの
帰宅ルートもチェックすると安心です。
立地・周辺環境をハザードマップで事前に確認
1階に住むなら、物件自体の性能だけでなく、周辺環境の安全性も重要なチェックポイントです。
国土交通省が提供している「ハザードマップ」を使えば、洪水・土砂災害
・津波などのリスクを簡単に確認することができます。
特に川沿いや海沿い、または低地に位置するエリアでは、
過去に浸水被害が起きていないかを調べておくと安心です。
また、ゴミ置き場や飲食店の位置も要注意です。近くにあると虫の発生源となるため、
できるだけ距離がある物件を選ぶのがベストです。
駅や大通りからの距離だけで物件を判断せず、「住環境の静かさ」「安全性」
「防臭・防虫対策」まで見極めることが後悔を防ぐ鍵です。
設備面で湿気・暗さ・虫対策がされているか

1階の部屋において快適さを左右するのが、「湿気」「日当たり」「虫」の3要素です。
これらをカバーできる設備があるかどうかは、内見時に必ずチェックしましょう。
たとえば、浴室乾燥機があると洗濯物が外に干せない場合でも室内干しが快適になりますし、
除湿機が備え付けられている物件であれば湿気対策も万全です。
さらに、網戸の破れや歪みがないか、窓やサッシの密閉性、
外との隙間の有無も細かく確認する必要があります。
日当たりに関しては、時間帯を変えて再度内見するのも有効です。たとえ方角的に南向きでも、周囲の建物に遮られて日が当たらないことはよくあるため、自分の目で確認しましょう。
まとめ
アパートの1階は、家賃が安い・引っ越しやゴミ出しが楽・専用庭が使えるなどのメリットがある一方で、防犯面の不安や湿気、虫の侵入、騒音、日当たりの悪さといったデメリットも多く存在します。
住んでみないと分からない不便さに直面して、
「1階を選んだことを後悔した」という人が多いのは事実です。
しかし、すべての1階物件が悪いというわけではありません。防犯設備や建物の立地、
周辺環境、部屋の構造・設備によって快適度は大きく変わります。
とくに女性の一人暮らしや、在宅時間が長い人、小さなお子さんがいる家庭は、
より慎重な検討が必要です。
1階に住むことを検討する際は、以下の点を忘れずにチェックしましょう。
・防犯対策は十分か(オートロック、シャッター、監視カメラなど)
・湿気や虫への対策設備があるか(浴室乾燥、密閉性の高いサッシなど)
・ハザードマップや周辺施設で安全性を確認したか
これから物件探しを始める方は、価格だけで判断せず、「日々の暮らしの安心感」と
「快適な環境」を両立できる物件を選ぶことが、後悔を防ぐための最善策です。
自分のライフスタイルと物件の特徴をしっかり照らし合わせ、納得のいく選択をしてください。
