世界と日本の母の日の違いとは?歴史から祝い方まで全網羅

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雑学

「母の日っていつから始まったの?」「なぜカーネーションを贈るの?」

そんな素朴な疑問を持ったことはありませんか?

この記事では、日本と世界の母の日の由来をわかりやすく解説しながら、現代の母の日の楽しみ方や感謝の伝え方についてもご紹介します。中学生でも読めるやさしい言葉で、母の日の知識をしっかり深めましょう!

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日本の母の日はどうやって生まれたの?

母の日が日本に広まった時期とは

日本に母の日という習慣が広まり始めたのは、20世紀初頭のことです。

具体的には、大正時代の終わりから昭和の初めにかけて、キリスト教系の団体や学校などでアメリカにならって「母を敬う日」として紹介されるようになりました。当時の日本ではまだ一般的な行事ではありませんでしたが、海外文化を取り入れようとする動きの中で、母の日も注目され始めたのです。

特に女学校などで「母を思う会」や「母親感謝会」などの行事が行われた記録が残っています。
これが全国に少しずつ広がっていくことになります。

昭和時代に定着した背景

母の日が全国的に知られるようになったのは昭和期に入ってからです。

特に昭和12年(1937年)には、当時の大日本連合婦人会が母の日の普及運動を行い、広く一般家庭にもその存在が知られるようになりました。また、新聞や雑誌で「母の日特集」が組まれるようになり、社会全体に「母親に感謝する日」という認識が広まっていきました。

さらに、企業がこの日をきっかけに母親向けの商品を販売するようになったことも、
定着を後押ししました。

宮中行事としての始まり

意外かもしれませんが、母の日が日本で注目されたきっかけの一つに、昭和天皇の皇后である香淳皇后(こうじゅんこうごう)の誕生日があります。

昭和6年(1931年)3月6日に「母の日」として祝う行事が宮中で行われたことで、国民の間でもこの日を「母をたたえる日」として意識するようになったのです。当初は3月6日が母の日とされていましたが、アメリカなどの影響を受けて、徐々に日付が変更されていきました。

戦後の商業化とその影響

第二次世界大戦後、日本はアメリカからの影響を強く受けることになります。

その中で、アメリカ式の「5月の第2日曜日が母の日」という習慣も一気に浸透していきました。特に1950年代には百貨店やデパートが「母の日フェア」を開催するようになり、贈り物を通して母に感謝を伝える文化が一気に広まりました。この流れが現在の「母の日には花やプレゼントを贈る」という風習につながっています。

日本特有の贈り物文化

日本では母の日にカーネーションを贈るのが定番ですが、それ以外にも和菓子や手紙、手作りのプレゼントを贈る人も多いです。特に子どもたちが幼稚園や学校で描いた似顔絵やメッセージカードは、多くの家庭で微笑ましい思い出として残ります。

また、日本ならではの「感謝を形にする」文化が根付いているため、プレゼントには相手の好みに合わせた気遣いが強く反映されます。このような日本独自の贈り物スタイルが、母の日の温かさをさらに深めています。

世界の母の日のルーツを探ろう

アメリカ発祥の「アンナ・ジャービス」の活動

現代の「母の日」のルーツをたどると、アメリカのアンナ・ジャービスという女性の活動に行き着きます。彼女の母親アン・ジャービスは南北戦争時代に「母の仕事の日(Mother’s Work Days)」を開催し、兵士たちの衛生状態の改善や母親たちの支援に尽力しました。

母の死後、アンナは「母のための日(Mother’s Day)」を作ることで、母親への感謝と平和の願いを広めようとしました。1908年にウェストバージニア州で最初の「母の日」記念礼拝が行われ、これがアメリカ全土に広がっていくきっかけとなったのです。

ヨーロッパにおける母の日の歴史

ヨーロッパにも古くから母親を敬う習慣は存在しました。

たとえば、イギリスでは17世紀頃から「マザーリング・サンデー」という行事が行われており、これはキリスト教の暦に基づく「四旬節」の第4日曜日に、故郷の教会(マザーチャーチ)へ戻る日として祝われていました。この日に、家族が集まって母親に感謝の気持ちを表すようになったことから、現代の母の日の原型とされています。

世界各国で日付が違う理由

世界中で母の日が祝われていますが、その日付は国によって異なります。

たとえば、イギリスは3月、タイは8月12日(王妃の誕生日)、ロシアは11月の最終日曜日に母の日があります。これは各国の文化や歴史、宗教的背景に基づいて決まっているためで、国によって母親に対する価値観や敬意の表し方も微妙に異なっています。

だからこそ、母の日は「世界中で祝われるけれど、
それぞれの国の個性が表れる日」と言えるでしょう。

宗教と母の日の関係性

母の日と宗教には意外と深いつながりがあります。

キリスト教では「聖母マリア」を敬う文化があり、特にカトリック教会では母の日と関連付けられることが多いです。また、仏教でも母親を敬う教えは数多く存在し、日本では「仏教婦人会」などの団体が母の日をきっかけに法要や感謝の集いを行うこともあります。宗教を通して母への感謝を表すというのは、世界共通の価値観と言えるでしょう。

各国の祝い方の違いと特徴

アメリカでは、母親に花やカードを贈るのが一般的で、家族でレストランに行く習慣もあります。中国では母親に感謝の詩を贈るという伝統的な文化も見られます。タイでは学校で盛大な式典が開かれ、母親が子どもから感謝の言葉を直接受け取るシーンも見られます。日本のように静かに感謝の気持ちを伝える国もあれば、にぎやかに祝う国もあり、その多様性も母の日の面白さの一つです。

母の日が5月の第2日曜日に定着した理由

アメリカの公式記念日化の影響

現在、世界中で広く行われている「5月の第2日曜日=母の日」という習慣は、アメリカが発祥です。1908年にアンナ・ジャービスが最初の母の日イベントを行い、その後1914年にアメリカ連邦議会が「母の日」を国の公式な記念日として定めたことで、この日付が世界的に認知されるようになりました。

なぜ5月なのかというと、アンナの母であるアン・ジャービスが5月に亡くなったことに由来していると言われています。アメリカの強い文化的影響力もあり、他の国々もそれに倣ってこの日を母の日とするようになったのです。

日本で5月に祝われるようになった経緯

日本でも当初はアメリカにならい、5月の第2日曜日を「母の日」として祝う動きが見られるようになります。特に戦後、アメリカ文化の影響が色濃くなっていた昭和20年代から30年代にかけて、この日が定着しました。

百貨店や新聞が「母の日特集」を展開し、5月になると街にカーネーションが並ぶようになったこともあり、日本の家庭に広がるきっかけとなりました。学校でもこの日に合わせて「お母さんへの感謝の手紙」を書く活動が行われるようになり、子どもを通じて家庭でも自然と祝われるようになったのです。

昭和天皇と香淳皇后の誕生日との関係

日本では一時的に、昭和天皇の皇后である香淳皇后の誕生日である3月6日が「母の日」とされていたこともあります。これは1931年に行われた宮中行事に由来し、その後しばらくは日本独自の日付として母の日が認識されていました。

しかし、アメリカ式の「5月の第2日曜日」という日付が徐々に浸透していき、最終的にはそちらが主流になっていきます。皇室行事から始まった日が、民間レベルでアメリカ式に切り替わっていったのは、日本の近代化とグローバル化の一例と言えるかもしれません。

商業的背景との関係性

母の日が5月に定着した背景には、企業のマーケティング戦略も大きく関わっています。

春は新生活が落ち着く季節で、消費意欲も高まる時期です。百貨店やフラワーショップにとって、母の日はゴールデンウィーク後の売上を伸ばす絶好のチャンスとされました。母の日に向けた特集やギフトキャンペーンを大々的に展開することで、人々の間に「この時期に母に贈り物をするのが当たり前」という意識が形成されていきました。こうした商業的な動きが文化として根付いた好例です。

国際的な統一傾向の影響

現代はSNSやグローバルメディアの影響もあり、世界的なイベントの日付が統一される傾向にあります。母の日もその一つで、国を超えて「5月の第2日曜日」がスタンダードになっている理由の一つです。

企業の国際的なキャンペーンもこの統一に拍車をかけています。たとえば、多国籍企業が各国共通の母の日広告を打つことで、自然と日付がそろっていくのです。情報のグローバル化により、母の日も世界共通のイベントとしての側面を強めています。

母の日に贈るカーネーションの意味

赤いカーネーションと白いカーネーションの違い

カーネーションには多くの色がありますが、母の日に特に人気なのが「赤」と「白」のカーネーションです。赤いカーネーションは「健在な母親への感謝」を表す花として知られています。一方、白いカーネーションは「亡くなった母を偲ぶ」意味があるとされ、日本ではあまり母の日には使われない傾向にあります。

これらの色の意味合いは、アメリカでの風習からきており、アンナ・ジャービスが
亡き母を偲んで白いカーネーションを捧げたことに由来しています。

アンナ・ジャービスとカーネーションの関係

母の日の創設者であるアンナ・ジャービスは、自分の母が特にカーネーションを好んでいたことから、母の日の象徴としてこの花を選びました。1908年の記念礼拝で白いカーネーションを配ったことがきっかけで、この花が「母への愛と尊敬」の象徴として広まっていったのです。

当初は白が中心でしたが、時代が進むにつれて、赤いカーネーションが
「健在な母への敬意」を表す花として定着していきました。

色によって変わる花言葉

カーネーションは色によって花言葉が異なります。

赤は「母の愛」「真実の愛」、ピンクは「感謝」「温かい心」、白は「純粋な愛」や「亡き母への追悼」を意味します。黄色は「軽蔑」といった否定的な意味もあるため、母の日の贈り物としてはあまり適していません。花の色選びには意味が込められているため、贈る際にはその意味にも少し気を配ると、より気持ちが伝わるプレゼントになります。

なぜカーネーションが定番になったのか?

母の日にカーネーションが選ばれる理由は、その花持ちの良さ、美しさ、そして何より「母を思う日」との親和性が高かったことにあります。また、カーネーションは当時としては比較的手に入りやすい花だったため、多くの人が感謝の気持ちを込めて贈るのに適していました。

さらに花屋や百貨店のプロモーションでもカーネーションを前面に打ち出したことにより、
「母の日=カーネーション」というイメージが自然に定着していったのです。

他に人気のある母の日の花とは?

近年では、カーネーション以外の花を贈る人も増えています。

特に人気なのが「バラ」「ガーベラ」「アジサイ」「ユリ」などです。バラはエレガントで華やかさがあり、アジサイは「家族の結びつき」や「忍耐」という意味を持つため、母親への感謝を表すにはぴったりです。また、季節の花を取り入れた花束やフラワーアレンジメントも人気です。花の種類にこだわることで、より個性的で心のこもった贈り物になります。

現代の母の日の過ごし方とその変化

昔と今の母の日の違い

昔の母の日は、家族の中で静かに母に感謝の気持ちを伝えるという、どちらかというと「家庭的」な行事でした。特に手紙や子どもが描いた似顔絵、手作りの料理や掃除といった形で、日ごろの感謝を形にするのが一般的でした。

しかし近年では、贈り物が多様化し、商品や体験にお金をかける傾向が強まっています。たとえば「母の日ランチ」「旅行をプレゼント」「高級エステチケット」など、モノよりコト(体験)を重視する人も増えています。時代の流れとともに、母の日のスタイルも大きく変わってきたのです。

SNS時代の母の日の広がり

SNSの普及により、母の日の祝い方はさらに進化しています。

InstagramやTwitter、Facebookなどでは、母への感謝のメッセージや写真を投稿するのが一般的になりました。手作りの料理を紹介したり、プレゼントの写真を載せたりすることで、母の日が個人的なイベントから「共有するイベント」へと変化しています。また、投稿を見て「私も何か贈ろう」と思い立つ人も多く、SNSが母の日の認知と参加を広げる大きな役割を果たしています。

家族での時間の価値が見直される理由

コロナ禍以降、人々の生活スタイルは大きく変わり、家族との時間の大切さが改めて見直されました。母の日も例外ではなく、特別なレストランや豪華な贈り物より、「一緒に過ごす時間」そのものが何よりのプレゼントと考える人が増えています。

例えば、家で一緒に料理をしたり、テレビを見ながらゆっくり過ごすだけでも、母にとってはかけがえのない時間になります。物よりも心、形式よりも想いが重視されるようになったのが、最近の母の日の大きな特徴です。

母の日ギフトのトレンド

ここ数年、母の日のギフトには明確なトレンドがあります。

1つは「パーソナライズギフト」です。名前入りのマグカップやメッセージ付きのハンカチなど、個別にカスタマイズできるアイテムが人気を集めています。また、「健康・美容系」の商品も注目されており、高機能のマッサージグッズやアロマアイテムなど、癒しを提供する贈り物が喜ばれています。さらに、「サブスクギフト」も話題で、例えば毎月お花が届く定期便や、コスメのサンプルが届くボックスなど、継続的に感謝を伝えるスタイルが支持されています。

未来の母の日はどうなる?

今後の母の日は、ますます多様化し、個人の価値観に合わせた形で進化していくでしょう。オンラインギフトやデジタルメッセージの活用はさらに広がり、遠く離れた家族とも簡単に気持ちを伝え合えるようになるはずです。

また、ジェンダー平等や多様な家族の在り方に対応した「母という存在」への感謝の仕方も変わっていくかもしれません。血のつながりに限らず、「母のように支えてくれる人」に感謝を伝える日として、より包括的で温かい文化として広がっていく未来が期待されます。

まとめ

母の日は、単なるイベントではなく、「感謝を伝える文化」として世界中に根付いています。その由来はアメリカのアンナ・ジャービスの想いから始まり、日本では昭和初期から少しずつ広まりました。そして戦後にはアメリカ式の「5月の第2日曜日」が定着し、今や家族にとって大切な年間行事の一つとなっています。

カーネーションの花言葉や宗教的な背景、各国の違いなど、母の日には多くの意味と物語が詰まっています。現代ではSNSやデジタル技術の進化により祝い方も多様化し、より個人に寄り添った形での「ありがとう」が増えています。これからの時代、母の日はさらに柔軟で自由な形で進化していくでしょう。

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