「なんだか最近やる気が出ない」「朝起きるのがつらい」—
そんな気分になっていませんか?
新年度の疲れがたまりやすい5月は、心のバランスを崩しがちな季節。
いわゆる「五月病」と呼ばれる症状に悩む人も少なくありません。
でも大丈夫。ちょっとした工夫で心と体を整えることはできます。この記事では、すぐにできるリラックス法から、自然の力を借りた癒やしの方法、生活習慣の見直し方、さらにはプロに頼る方法まで、五月病対策を徹底解説!
「なんとなく不調…」という人も、「周りに心配な人がいる」という方も、
ぜひ最後まで読んで、心を軽くするヒントを見つけてください。
5月がつらいのはなぜ?五月病の正体を知ろう
五月病とは?正式な病名ではない理由
「五月病」という言葉はよく耳にしますが、実はこれは正式な医学用語ではありません。医学的には「適応障害」や「うつ状態」などに分類されることが多く、特定の病名ではないのです。
新年度の4月に環境が大きく変わることで心と体がストレスにさらされ、それが1か月遅れて5月に現れることで、「五月病」と呼ばれるようになりました。特に新入社員や新入生、異動があった会社員など、新しい環境に適応しようと頑張った人ほど疲れがたまりやすくなります。
5月はゴールデンウィークで一度気が緩んだ後に、現実に引き戻される時期でもあり、そのギャップが心身に負担をかけてしまうのです。「怠けている」と思わず、自分の心の声に耳を傾けることが大切です。早めの気づきとケアで、深刻な状態になるのを防ぐことができます。
なぜ5月に起きるの?心と体のギャップ
4月は新しいスタートの月。
学校や職場などで新しい人間関係、ルール、生活リズムに慣れようと、多くの人が気を張って頑張っています。でも、慣れていない環境で無理をし続けると、知らず知らずのうちにストレスがたまり、自律神経のバランスが崩れてしまいます。そして、5月の連休でホッとしたとたん、心と体にその反動が一気に出てしまうのです。
これが「心と体のギャップ」です。普段は気づかないストレスも、気を抜いたタイミングで現れやすく、急にやる気がなくなったり、朝起きるのがつらくなったりします。この心と体のズレを理解しておくことで、「どうして自分だけこんなに疲れるんだろう?」という自己否定をせずに、冷静に対応することができるようになります。
新生活との関係:4月のストレスが引き金に
4月は入学、入社、異動、引っ越しなど、新しい環境に飛び込む月。誰もが期待と不安を抱えながら、新しい生活に順応しようと努力します。その時点ではまだ緊張感があるため、ストレスを感じにくいのですが、慣れ始めた5月に体と心が疲れを訴え始めます。
これは、環境の変化に対応しきれなかった「後遺症」のようなもの。気づかないうちに心のエネルギーが消耗していて、5月になってようやく「つらい」「疲れた」と感じるのです。この状態を放っておくと、本格的なうつ状態に進行することもあるので、「4月は平気だったのに」と思わず、自分のペースで無理なく過ごすことがとても大切です。5月の自分の状態を客観的に見て、「ちょっと疲れてるな」と気づけるようにしましょう。
五月病になりやすい人の特徴とは
五月病は誰にでも起こる可能性がありますが、特になりやすい人には共通点があります。
まず、「真面目で責任感が強い人」。新しい環境で完璧に対応しようとして無理をしてしまう傾向があります。次に、「周囲に気を使いすぎる人」や「人間関係に敏感な人」も、知らず知らずのうちにストレスをため込みがちです。また、変化に弱い人や完璧主義の人も、ちょっとした違和感に大きなストレスを感じやすいです。
「頑張り屋さん」ほど、気づかないうちに疲れてしまうので要注意です。逆に、自分の気持ちを適度に発散できる人や、ストレス解消法を持っている人は、五月病にかかりにくい傾向があります。自分の性格や行動パターンを知ることで、予防にもつながります。
見落としがち?五月病と似ている他の不調
五月病と思っていたら、実は他の不調が原因だったということもあります。
たとえば、「貧血」や「甲状腺機能の低下」などの身体的な病気でも、疲れやすさや気分の落ち込みが起きます。また、女性の場合は「月経前症候群(PMS)」や「更年期障害」など、ホルモンバランスの乱れが原因で似たような症状が出ることも。
心の問題だけに目を向けるのではなく、体の状態もチェックしておくことが大切です。さらに、「燃え尽き症候群」や「慢性疲労症候群」なども症状が似ているため、自己判断は危険です。気になる症状が続く場合は、無理せず医療機関を受診しましょう。心と体の両方からアプローチすることが、健康を保つカギになります。
今すぐできる!自宅での簡単リラックス法5選
深呼吸とストレッチで心をゆるめる
ストレスがたまると呼吸が浅くなり、体もガチガチにこわばってしまいます。
そんなときにおすすめなのが、「深呼吸」と「軽いストレッチ」です。
まず、鼻からゆっくり息を吸い、口から長く吐き出すだけでOK。これを3〜5回繰り返すだけで、副交感神経が働き、リラックスモードに切り替わります。ストレッチは難しく考えなくて大丈夫。肩をぐるぐる回したり、首をゆっくり左右に倒したりするだけでも効果があります。ポイントは「気持ちいいと感じるところで止める」こと。
無理に伸ばそうとせず、ゆっくりとした動きで、体の緊張をほぐしてあげましょう。深呼吸とストレッチを組み合わせれば、心も体も一緒にリセットされ、気分が軽くなります。朝起きたときや寝る前、仕事の合間など、1日3回取り入れるだけでも気持ちの持ちようが全然違ってきます。
ハーブティーで内側から癒やされる
リラックス効果を高める飲み物といえば「ハーブティー」。
カフェインが含まれていないものが多く、体にもやさしいのが魅力です。特におすすめなのが「カモミールティー」。心を落ち着ける効果があり、不安や緊張を和らげてくれます。寝つきが悪いときにもぴったりです。
もうひとつ人気なのが「ラベンダーティー」。ラベンダーの香り成分が脳に働きかけ、自律神経を整えてくれます。日中のリラックスタイムにもおすすめです。ハーブティーはティーバッグでも市販されていますし、自分好みにブレンドするのも楽しいですよ。
お気に入りのマグカップでゆったりと飲むだけで、気持ちがホッと落ち着きます。温かい飲み物をゆっくり飲むこと自体が「今ここに集中する」マインドフルネス的な効果もあり、五月病の予防にも役立ちます。
アロマの香りで自律神経を整える
香りには、人の心を癒やす力があります。
アロマオイルを使って、香りの力でリラックスするのもとても効果的な方法です。例えば「ラベンダー」や「ベルガモット」は、気持ちを落ち着ける香りとして知られており、イライラや不安感をやわらげてくれます。「オレンジスイート」や「ゼラニウム」も、気分を明るくしてくれる香りです。
使い方は簡単で、アロマディフューザーに数滴たらして部屋に香りを広げたり、マグカップにお湯を入れてオイルを数滴落としたりするだけでもOKです。アロマオイルを1滴ハンカチに垂らして持ち歩くのもおすすめ。香りをかぐことで、自律神経のバランスが整い、リラックスしやすくなります。
香りの好みは人それぞれなので、まずは少量から試して、自分に合う香りを見つけてみましょう。
五感を使って癒やすことが、心のケアにつながります。
音楽で脳をリラックスモードにする方法
音楽には、心をリセットする力があります。
実際に、音楽療法という分野があるほど、音の持つ癒し効果は科学的にも認められています。特に、自然音やクラシック音楽、ヒーリングミュージックなどは、脳波を安定させ、副交感神経を優位にしてくれる効果があります。YouTubeや音楽配信サービスでも、「リラックス」「睡眠用」「集中力アップ」などのプレイリストがたくさんあるので、自分に合ったものを探してみてください。
ポイントは、歌詞がない曲を選ぶこと。言葉がないことで、脳が余計な情報を処理しなくて済み、より深くリラックスできます。イヤホンではなくスピーカーで流すと、部屋全体がリラックス空間になりますよ。気分が沈んでいるときや、何となくモヤモヤするときに音楽を流すだけで、驚くほど気持ちが軽くなることがあります。
好きなことをする「自分時間」の作り方
ストレスがたまっているときこそ、自分の好きなことに時間を使うことが大切です。でも忙しい毎日の中で「そんな時間ないよ」と思うかもしれません。そんなときは、1日10分だけでも「自分だけの時間」を確保してみましょう。
本を読む、ゲームをする、絵を描く、日記を書く、手芸をする、動画を見る——なんでもいいのです。大事なのは「やらなきゃいけない」ではなく「やりたいこと」を選ぶこと。好きなことに夢中になる時間は、ストレスホルモンを下げ、幸福感を高めるホルモンを分泌させます。
朝の通勤前や夜寝る前、昼休みにスマホを見ずに好きなことに集中するだけでも、心に余裕が生まれます。リラックスとは「何もしない」ことだけではありません。「自分を大切にする時間」を持つことこそ、心の健康を守る第一歩なのです。
外出がカギ!自然の力でストレスをリセット
公園散歩が脳に与える影響とは?
現代人は、家や職場の中で過ごす時間が圧倒的に多く、自然と触れ合う機会が少なくなっています。でも、たった15分でもいいので、公園をゆっくり散歩してみてください。緑に囲まれた空間を歩くことで、脳のストレス反応がぐっと減ることが、近年の研究でも分かっています。
これは、木々の揺れや風の音、鳥のさえずりなど、自然の中にある“無意識に心が落ち着く要素”が私たちの脳をリラックスさせてくれるからです。また、歩くという軽い運動も、ストレス解消に効果的。心拍数が少し上がる程度のゆったりした散歩は、気分転換にぴったりです。
スマホをポケットにしまって、周囲の風景に意識を向けるだけで「今この瞬間」に気づくことができ、頭の中がスッキリしてきます。忙しいときほど、あえて公園を歩く時間をつくることで、心に余白が生まれますよ。
太陽の光でセロトニンを増やそう
五月病対策に欠かせないのが「日光浴」です。
太陽の光を浴びることで、脳内では「セロトニン」というホルモンが分泌されます。これは“幸せホルモン”とも呼ばれ、心の安定や前向きな気分に深く関わっている物質です。逆に、日光を浴びない生活が続くと、このセロトニンの分泌が減り、うつっぽい気分になってしまうことも。
朝の時間帯に15分〜30分、ベランダや庭、近くの公園などで日光を浴びるだけでも、体内時計が整い、夜の睡眠の質が向上します。忙しくて外に出られない日は、カーテンを開けて自然光を取り入れるだけでも効果があります。特に朝の太陽光は、セロトニンの分泌を助けてくれるゴールデンタイム。できれば朝食の後に、外に出てみましょう。日光は、自然がくれる最高のメンタルサプリです。
緑の中で行う「森林浴」の効果
森林浴という言葉を聞いたことがある方も多いと思います。
これは、ただ森の中を歩くだけでなく、木々の香りや空気を体全体で感じながら、自然の中でリラックスするという行為です。実はこの森林浴、ストレスホルモンの減少や免疫力の向上、自律神経の安定など、心と体にさまざまな効果をもたらすことが科学的にも証明されています。
特に「フィトンチッド」と呼ばれる木々から放たれる成分は、私たちの脳を落ち着かせる効果があります。都市部でも、大きな公園や植物園など、緑の多い場所を選んで歩くだけで森林浴に近い効果が期待できます。目に映る緑の色にも、ストレスを緩和する力があります。週末などに自然の中を訪れることで、溜まった疲れやストレスが解消され、また1週間がんばろうという気持ちになれますよ。
軽い運動がストレスに効く理由
体を動かすことは、心の健康にも深く関わっています。
特に、ジョギングやウォーキング、サイクリングなどの有酸素運動は、ストレス解消にとても効果的です。運動をすると、脳内でエンドルフィンやドーパミンといった“気分を高めるホルモン”が分泌されます。これにより、落ち込んだ気分が軽くなり、前向きな気持ちになれるのです。また、運動には睡眠の質を高める効果もあります。
五月病で多いのが「眠れない」「寝ても疲れが取れない」といった症状ですが、
運動によって体がほどよく疲れることで、ぐっすり眠れるようになります。
無理に激しい運動をする必要はありません。毎日15分ほどの軽いウォーキングから始めるだけで、体も心も少しずつ変わっていきます。外に出て風を感じながら体を動かすことで、気分が大きく変わるのを実感できますよ。
写真や動画で「バーチャル自然体験」もおすすめ
「外に出たいけど時間がない」「天気が悪くて出かけられない」そんな日もありますよね。そんなときにおすすめなのが、「バーチャル自然体験」です。最近では、YouTubeやスマートテレビで、美しい自然の風景を映した動画や、森林や海の音を録音したリラクゼーション音源がたくさん配信されています。
こうした映像や音に囲まれるだけでも、脳は「本物の自然に触れている」と感じて、リラックス効果を得ることができるのです。実際に、病院の待合室やオフィスでも、自然の映像を流すことでストレスを軽減させる試みが行われています。
お気に入りの映像を選んで、部屋の照明を少し落とし、静かな空間を作るだけで、自宅にいながら森林や海辺にいるような気分に。忙しい人こそ、こうした“手軽な自然”を上手に取り入れてみてください。
生活習慣を整える!五月病になりにくい体づくり
質の良い睡眠のためにすべきこと
睡眠は、心と体の回復にとってもっとも大切な時間です。
五月病の症状としてよく見られるのが「寝つけない」「途中で起きる」「朝スッキリしない」といった睡眠の乱れ。これを放っておくと、心の疲れも体の疲れも抜けず、悪循環に陥ってしまいます。
質の良い睡眠をとるためには、まず「寝る90分前にお風呂に入る」ことがポイントです。お風呂で体の深部体温を一度上げることで、寝るころに自然と体温が下がり、スムーズに入眠できます。また、寝る前にスマホやパソコンを見るのはNG。ブルーライトが脳を刺激してしまい、眠りが浅くなってしまいます。
代わりに、読書や音楽、アロマなど、リラックスできる時間を取り入れるのがおすすめです。さらに、起きる時間を一定に保つことも大切。寝だめは逆効果なので、できるだけ毎日同じリズムで過ごすように心がけましょう。
食事で心のバランスを保つコツ
食事は体だけでなく、心の健康にも大きな影響を与えます。
特に注目したいのが「腸内環境」。腸は「第二の脳」とも呼ばれており、腸内環境が整っていると、幸せホルモンのセロトニンの分泌もスムーズになります。発酵食品(ヨーグルト、納豆、キムチ)や食物繊維(野菜、果物、海藻)を積極的に取り入れることで、腸内の善玉菌が増えて、心のバランスも整っていきます。また、ビタミンB群(豚肉、卵、大豆製品)やマグネシウム(ナッツ、バナナ)も、ストレスに強い体をつくるためには欠かせません。
逆に、ジャンクフードや砂糖の摂りすぎは、血糖値の乱高下を招き、イライラや不安感を強めてしまいます。「何を食べるか」だけでなく「誰と食べるか」「どんな気持ちで食べるか」も大切。食事の時間を大切にすることで、自然と心も満たされていきます。
朝のルーティンで心を安定させる
一日のスタートをどう過ごすかで、その日一日の気分が大きく変わります。朝の時間を整えることで、心の安定にもつながり、五月病の予防にとても効果的です。
まずは「朝起きたらカーテンを開けて太陽の光を浴びる」こと。これだけで体内時計がリセットされ、セロトニンの分泌が活発になります。次に、「コップ1杯の水を飲む」ことで内臓が目覚め、代謝が上がります。その後に、簡単なストレッチや深呼吸を取り入れると、交感神経がゆるやかに働き始め、頭がスッキリしていきます。
さらに、軽い朝食(ごはん、味噌汁、卵などの和食がおすすめ)をしっかりとることで、エネルギーがしっかり補給され、集中力がアップします。朝のルーティンは「整った自分」をつくる時間。忙しい朝でも、3〜5分だけ「自分のための時間」を確保することを意識しましょう。
スマホ断ちで脳をリセット
スマホは便利な道具ですが、心の休息を奪ってしまうこともあります。特にSNSやニュース、メールなどに常にアクセスしている状態は、脳を休ませる暇がありません。
これは「デジタル疲れ」とも呼ばれ、気づかないうちにストレスの原因となっています。五月病の症状を感じたら、思いきって「スマホ断ち」をしてみるのもおすすめです。たとえば、「寝る1時間前はスマホを見ない」「食事中はスマホを触らない」「休日は通知をオフにする」など、小さなルールを決めてみましょう。最初はそわそわするかもしれませんが、数日続けると「心が静かになる感覚」に気づけるはずです。
スマホの代わりに、読書や散歩、音楽など、アナログな楽しみを取り入れることで、脳がリセットされ、心に余裕が戻ってきます。自分のペースで過ごす時間が、心の健康には何よりの栄養になります。
「休む勇気」があなたを守る
多くの人が、休むことに対して「怠けている」と感じてしまいます。でも本当は、休むことはとても大事な「戦略」です。心や体が疲れているのに無理を続けてしまうと、やがて限界がきてしまいます。
五月病の予防には、「休んでもいい」と自分に許可を出すことが必要です。たとえば、「今日は予定を入れずに家でのんびりする」「頑張りすぎた日は早めに寝る」など、自分の気分や体調に合わせて休む勇気を持ちましょう。日本では、がんばることが美徳とされがちですが、本当にがんばっている人ほど、きちんと休む必要があります。
休むことで心が回復し、また前向きに動き出せる力が戻ってきます。自分を甘やかすのではなく、大切に扱うということ。「調子が出ないな」と感じたら、それは体と心からのサイン。無視せず、優しく受け止めてあげてください。
心が疲れたら?プロに頼る選択も大切
カウンセリングってどんなことをするの?
「カウンセリング」と聞くと、「自分はそこまで深刻じゃない」と感じてしまう方も多いかもしれません。しかし、実際にはちょっとした悩みや不安でも相談できる場所がカウンセリングです。
専門のカウンセラーは、話を否定せずにじっくり聞いてくれます。自分の考えを言葉にすることで、気持ちが整理されたり、思いがけない解決策に気づくこともあります。カウンセリングではアドバイスを受けるというよりも、「自分の中にある答えを一緒に見つける」イメージです。
最近では、オンラインで自宅から受けられるサービスも増えており、ハードルがぐっと下がっています。特に五月病のように「なんとなくつらい」「やる気が出ない」といった曖昧な気持ちは、話すことで明確になり、心が軽くなります。一人で抱え込まず、安心して相談できる場所があることを覚えておいてください。
メンタルクリニックと心療内科の違い
心に関する病院というと、「メンタルクリニック」や「心療内科」が思い浮かびますが、
この二つには少し違いがあります。
メンタルクリニックは主に心の病気や症状に対応する精神科的な施設で、うつ病、不安障害、不眠症などの治療を中心に行っています。一方、心療内科は、ストレスなどが原因で体に症状が現れる病気——例えば胃痛、頭痛、過敏性腸症候群など——を心と体の両面から診てくれる診療科です。どちらを受診すべきか迷ったときは、「体に症状が出ているかどうか」で判断するのがよいでしょう。
メンタル面がつらいと感じたらメンタルクリニック、体の不調が続いているなら心療内科がおすすめです。どちらも保険適用で通える場所が多く、決して特別な人が行くところではありません。気軽に相談できる選択肢として知っておくと安心です。
SNSで悩みを共有するのはアリ?
SNSは、気軽に情報交換や共感ができる便利なツールです。
実際、「五月病でつらい」と感じている人たちのリアルな声を知ることで、「自分だけじゃないんだ」と安心できることもあります。しかし一方で、SNSには注意点もあります。他人と比べてしまったり、過剰な情報に振り回されたりして、かえってストレスが増すこともあるのです。特に気分が落ち込んでいるときは、ネガティブな投稿や過激な意見に影響されやすくなっています。
悩みを共有するなら、信頼できる人とのDMや、匿名の悩み相談掲示板など、心が傷つきにくい場を選ぶようにしましょう。SNSはあくまでツールのひとつ。使い方次第で助けにもなるし、負担にもなります。自分の心が疲れているなと思ったら、一度SNSとの距離を見直してみることも大切です。
相談できる無料窓口まとめ
「誰かに相談したいけど、お金もかけられないし、どこに行けばいいかわからない」そんなときには、無料で利用できる相談窓口を活用してみましょう。たとえば、各自治体が運営している「こころの健康相談」では、電話や対面で心理士や相談員に話を聞いてもらえます。
また、厚生労働省の「よりそいホットライン」や、「いのちの電話」など、24時間体制で相談できる窓口もあります。若者向けには、LINEやチャット形式で相談できるサービスも増えていて、誰にも知られずに悩みを打ち明けられる環境が整ってきています。
大事なのは、「ひとりで抱え込まない」こと。無料窓口は、専門の人が話を聞いてくれる場所です。少し勇気を出して一歩を踏み出すことで、今のつらさが変わるかもしれません。困ったときには、「相談するのは甘えじゃない」と自分に言い聞かせてください。
周りの人が五月病になったときの接し方
自分だけでなく、家族や友人、同僚が五月病のような状態になっていることもあります。そんなときは、無理に励ましたり、「がんばって」と声をかけたりするのは逆効果になることもあります。大切なのは、相手の気持ちを否定せず、ただ話を聞いてあげること。
「つらかったね」「わかるよ」「いつでも話してね」といった共感の言葉が、相手の心を救います。また、「変だな」「元気がないな」と感じたときは、日頃の様子との違いをさりげなく伝えるのもよい方法です。
たとえば「最近、眠れてる?」など、具体的な質問を投げかけると、相手も話しやすくなります。そして何より、あなた自身が疲れていないことも大切。周りの人を支えるには、自分の心に余裕が必要です。「誰かを助けたい」と思ったら、まず自分自身のケアも忘れないようにしましょう。
まとめ:五月病に負けない!心と体のセルフケアが未来を変える
5月は新生活の疲れが表れやすく、心と体のバランスを崩しやすい時期です。しかし、「自分が今どう感じているか」にしっかり気づき、優しくケアしてあげることで、五月病は十分に防ぐことができます。
この記事では、五月病の原因やなりやすい人の特徴から、今日から自宅でできるリラックス法、自然の力を借りた外出のすすめ、生活習慣の整え方、そして心が疲れたときに頼れるプロの力まで、幅広くご紹介してきました。
大切なのは、「自分を責めないこと」。がんばっている人ほど疲れに気づきにくいものです。日常の中に、ほんの少しだけでも「自分を労わる時間」を取り入れてみてください。それだけで、気持ちが少しずつ前向きになっていくはずです。
ひとりでは抱え込まず、周囲や専門家の力も借りながら、心地よい毎日を取り戻していきましょう。
あなたの心と体が健やかであることを、心から願っています。